
小児歯科
小児歯科
当院の歯科医師は、大学で小児歯科学講座に在籍し、さらに大学院を修了した後、日本小児歯科学会専門医を取得しています。こうした高度な専門知識と豊富な学術的背景を活かして、赤ちゃんから思春期のお子さままで幅広い年齢層に対応できる治療を目指しています。お子さま一人ひとりの成長段階や特徴をしっかりと把握し、安心して通っていただけるよう、よりきめ細やかなケアを行ってまいります。
最初の乳歯が萌え出し始めた赤ちゃんの段階から、定期的な検診やクリーニングを行うことによって、お口の中の小さな変化やトラブルをいち早く発見することができます。保護者の方と一緒に、お子さまの歯の成長だけでなく、かみ合わせやお口の機能全体の発達も継続的に管理し、健やかな成長をサポートしていきたいと考えています。こうした早期からのフォローによって、将来のむし歯や歯並びの問題を予防できる可能性が高まります。
お子さまの性格や年齢、保護者の方のご要望やライフスタイルなど、それぞれ異なる状況や考え方を尊重しながら、最適な治療法を一緒に考えてまいります。たとえば、「痛みや恐怖をできるだけ感じさせたくない」「歯並びについての相談をしたい」など、どのようなご希望でも遠慮なくお伝えください。無理のない治療を目指しつつ、将来の歯の健康までも見据えたご提案を心がけております。
歯科医院の雰囲気や器具に対する怖さがあるお子さまに対しては、いきなり治療を始めるのではなく、まずは実際の器具を見たり触れたりするところから始めます。お子さま自身が「歯医者さんの道具は危険なものではない」と理解し、音や振動に慣れていく過程を大切にすることで、だんだんと安心感を持てるようにサポートします。こうした段階的なアプローチによって、少しずつ怖さを減らし、治療をスムーズに進められるよう努めます。
お子さまが「歯医者さんは痛い」というイメージを持たないようにするため、当院では電動麻酔器や表面麻酔を活用しています。麻酔の注射時には、できるだけ細い針を選び、注入速度をコントロールすることで、刺激や痛みを極力抑えるよう配慮しています。また、治療を始める前にしっかりと声かけを行い、「何をするのか」「どんな道具を使うのか」を説明することで、お子さまが不安にならないよう心がけています。
診療室内にテレビモニターを設置し、お子さまのお気に入りのアニメや番組を流しながら治療を受けていただくことで、なるべくリラックスできる空間をつくっています。「治療中は退屈そう」「ちょっと怖そう」と感じる時間を少しでも和らげ、気分を紛らわせてあげることが目的です。お子さまが歯医者さんを嫌がらず、通いやすいと感じてもらえるよう、今後も工夫を重ねてまいります。
小児歯科は成長発育期にあるお子さまのむし歯の予防や治療を専門に行う診療科です。歯は生後約6か月頃に乳歯が生えはじめ、2歳半頃までには約20本の乳歯が並ぶといわれています。そして6歳頃から永久歯への生え変わりが始まり、13~15歳頃には、ほとんどの永久歯が生え揃います。そうしたお子さまの歯の成長を視野に入れ、永久歯に悪い影響を与えないよう治療計画を立てながら診療を進めるのが小児歯科の大きな特徴です。むし歯・歯周病(歯ぐきの炎症)の予防と治療、歯並びやかみ合わせの矯正などを、成長に合わせて継続的に行うとともに、生活習慣や食生活の改善指導も一環としています。
成長過程にあるお子さまの口の中に関して、不安やお悩みがございましたらお気軽にご相談ください。
このようなお悩みや症状がありましたらぜひご相談ください。
お子さまの歯の健康は長い目で見ていくことが大切です。ぜひ私たちと一緒にお子さまの歯を守っていきましょう!
乳歯は永久歯よりも柔らかいため、むし歯になりやすく、痛みなどの自覚症状もほとんどない状態で急速に進行します。歯の溝の奥や歯と歯の間から無症状で進行することもあり、外からではほとんど気づかないこともあります。また、乳歯がむし歯になると、口の中でむし歯菌が増え、新しい永久歯もむし歯になりやすくなります。
子どものむし歯の原因にはいくつかの特徴があります。まず、「歯みがきが上手くできない」ということです。歯の汚れ(歯垢)を落とすには、正しい歯のみがき方を覚える必要がありますが、その技術が未熟なため磨き残しなどが生じ、それがむし歯の原因となってしまいます。また、乳歯は永久歯に比べてエナメル質や象牙質が薄いことも挙げられます。そのため、むし歯菌による浸食が早く、進行しやすくなります。乳歯が永久歯と比べて溝が多く深いことも原因の一つで、食べかすがたまりやすく、磨き残しも多くなりがちです。
むし歯には必ず原因があります。せっかく治した歯や新しい歯がむし歯にならないようにしっかり予防していきましょう。
歯みがき指導
幼少期のうちから歯みがきの習慣をつけることはとても大切です。お子さまが痛い思いをして歯みがきを嫌がってしまわないように、歯ブラシを少しずつ口に入れて、口の中を触れる感覚に慣れさせていきましょう。むし歯になりやすい、汚れが残りやすいという部分がありますので、そのようなところを重点的にみがきましょう。正しい歯みがきの仕方を歯ブラシの持ち方からアドバイスいたします。お母さん向けに、仕上げの仕方などもお伝えします。
フッ素塗布(フッ素化物)
フッ素はむし歯菌から作られる酸の生成を抑制する働きが期待できます。とくに乳歯や生えたての永久歯にむし歯の予防効果が大きいとされています。フッ素塗布によるむし歯予防は、乳歯が生え始める1歳前後から始め、3~4か月に1回程度、定期的に継続するのが良いでしょう。ただし、フッ素を塗ったからむし歯ができないというわけではありませんので、お子さまのご自身の歯みがきやお母さんの点検みがきは忘れずに行うようにしましょう。
シーラント
シーラントはむし歯になるリスクが高い歯の溝を、歯科用プラスチックで塞ぎ、汚れがたまらないように処置する治療です。乳歯は形が複雑なため、シーラント処置は効果的です。とくに奥歯の深い溝は汚れがたまりやすく、むし歯になりやすいところです。奥歯が萌出したらできるだけ早いうちに溝をコーティングするシーラント処理をお勧めします。シーラントは填塞後欠ける可能性があるため、定期的なメンテナンスでのチェックをオススメしております。
定期検診
当院では、お子さまが自分から行きたくなるような歯科医院をめざしています。スタッフ一同で、お子さまが楽しみながら定期的に治療を受けてもらえるような工夫をしています。
一般的な歯医者さんで治療がうまくいかなかったというお子さまや、小さなお子さまでもお気軽にいらっしゃってください。
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、小・中学生の4割が歯肉炎というデータがあります。学校の歯科検診などで歯肉炎を指摘される子どもは多く、年々増加傾向にあるといわれています。
歯肉炎とは、細菌のかたまりである歯垢が引き起こす歯肉の炎症で、腫れたり、出血しやすくなったりする状態をいいます。子どもの歯周炎は、歯を支えている歯槽骨の歯周組織には大きな変化はみられません。しかし、放置してしまうと、大人になって歯周病にかかり、歯が抜け落ちてしまう可能性もありますので、きちんと治療しておくことが大切です。
一般的な歯肉炎は痛みを伴いません。そのため自分では気づきにくく、放置してしまうことも多い疾患です。時々お口の様子を見て、「歯間部分の歯肉が赤く丸みをおび、ブヨブヨした感じがないか」「歯みがきや食事などの軽い刺激で、歯肉から出血していないか」などをチェックしてください。健康な歯肉はピンク色で引き締まっています。子どもの歯肉炎には、最も多くみられる不潔性歯肉炎(歯垢がたまることで、歯茎の発赤、腫脹、出血症状などが起こります)、萌出性歯肉炎(永久歯が生える時に起こります)、思春期性歯肉炎(10~15歳に思春期のホルモン変化により、起こりやすくなります)などがあります。
歯肉炎と診断されたとしても、正しく歯みがきをして、定期的なクリーニングなどを受け、しっかりケアをすれば多くの場合改善します。ご家庭で有効なのが歯ブラシによるブラッシングです。歯と歯肉の境目に歯ブラシの毛先をあてて、軽く振動させるように動かしてください。磨き残しがないように数週間程度続けると、出血もなくなり健康な歯肉に戻ります。歯ブラシの仕方に不安のある方はご相談ください。
歯肉炎は歯周病へと移行させないことが大切です。たかが歯肉炎と放置せず、ご家庭での正しい歯みがき(ブラッシング)と、歯科でのクリーニング(プロフェッショナルケア)などを利用して、しっかり治療しましょう。
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